【山梨・長野】奥秩父の山を満喫! 1泊2日、公共交通機関で金峰山と瑞牆山を縦走!
金峰山は標高2,599m、瑞牆山は標高2,230mの山で、どちらも日本百名山に選定されている。奥秩父山塊の山で、岩場が多い山としても有名だ。
今回は、大弛峠から入山し、金峰山経由で金峰山小屋に1泊、翌日瑞牆山経由で瑞牆山荘に下山するルートで縦走した。
概要
地図
コースタイム
合計:9時間22分 / 休憩:1時間10分
アクセス•メンバー
アクセス
今回は、公共交通機関でアクセスした。
入山口の大弛峠までは、塩山駅から日程限定で完全予約制のツアーバスが出ている。日程によっては予約開始直後に埋まってしまうので、早めの予約が必要だ。かくいう私は、直前キャンセル狙いで前日に予約したのだが。
下山口の瑞牆山荘からは、韮崎駅行きの路線バス、韮崎瑞牆線が出ている。こちらは予約不要だが、週末に3名以上で乗車予定がある場合は事前に連絡してほしい、とのことだ。
また、東京から塩山駅まで、また韮崎駅から東京方面へは、特急あずさなど特急電車の利用が便利だ。ただ、週末の朝早い時間は早々に指定席の予約が埋まってしまうので、こちらも早めの予約が必要だ。えきねっとから事前に予約ができる。
今回のルートは、コースタイム的には日帰りでも十分可能だが、公共交通機関のみでアクセスしようとするとバスの時間的にどうしても1泊必要になる。
メンバー
ソロ
山の中の山・金峰山、美しい名・瑞牆山
「金峰山は実に立派な山だ。(中略)金峰山も何処へ放り出しても百貫の貫禄を具えた山中の中の山である。」
深田久弥『日本百名山』
深田久弥『日本百名山』の中で、木暮理太郎氏の言葉が引用されている。奥秩父山塊の中でもっとも標高が高いのは奥千丈ヶ岳だが、頂上の五丈岩のおかげで遠くからでもすぐ金峰山を特定できる。
対する瑞牆山も、「瘤岩と呼ばれたほど、大きな岩のゴツゴツ立っている山」である。山の名前の由来は定かではないが、この美しい字が当てられたのはそう遠くない昔であろう、とのことだ。
奥秩父を代表するこの2つの百名山は、都心からのアクセスもよく、初心者でもチャレンジできる山であることから、週末には多くの人が訪れる人気の山であるようだ。
1泊2日で金峰山と瑞牆山を縦走!
特急あずさで塩山駅、駅から大弛峠へ
特急あずさに乗って、塩山駅へ!
えきねっとで事前に指定席購入をしたのだが、発券の必要もなく、時間や区間変更もできてとても便利だった。
塩山駅に到着! 塩山駅にはコンビニなどはないが、トイレはあってわりと綺麗だった。
予約したツアーバスは塩山駅の北口から出発する。特に迷うこともなくバス(というよりワゴン車)を見つけられ、お金を払って乗車した。
バスにのること1時間半、大弛峠に到着! 大弛峠にもトイレがあった。
自家用車で来ている人も多く、駐車場はパンパン。
大弛峠から登山スタート!
大弛峠から金峰山に向けて歩き始める。この日は雨予報で朝から雨が降っていたが、大弛峠に着くころには止んでいた。
コースの序盤は樹林帯を歩く。勾配もきつくなく、歩きやすい道が続く。
土曜日だというのに、序盤はほとんど人と出会わずかなり不安になった。
苔むした森が続く。秋はきのこも見られる。かわいい。
しばらく歩くと開けた稜線に出た。
景色はこんな感じ。これは山頂からの眺望は期待できない。
石が積まれた広場を通り過ぎ……
岩場も抜けて……
朝日岳に到着。特にここからの眺望はない。
再び苔むした森に入る。この感じ、奥秩父の山っぽくて好き。
さらに進むと、岩場の多い道に出た。お腹が空いたので、山頂を待たずここで昼食をとった。下界はまだまだ暑いのに、天気の悪さもあってか立ち止まるとかなり寒く、フリースを羽織った。
栄養補給も終わり、山頂を目指す。あと少し!
金峰山山頂から金峰山小屋へ
あっという間に金峰山山頂に到着! 普段よりゆっくりめに歩いたが、ここまでわずか2時間半。登ったのもわずか400m程度と、お手軽にたどり着けてしまった。
山頂から少し降りたところに、深田久弥も言及していた五丈岩があった。こちらの方が山頂っぽさがある。
天気がよければここからいろいろな山が見えるようだが、晴れ間は見えたものの雲が多め……。眺望は諦めて早々に金峰山小屋へ向かった。
小屋までの道は、ところどころにわかりやすい案内がある。
20分ほどわりと急な岩場を下っていく。
石が高く積まれた広場を通り……
金峰山小屋に到着! 時刻は14時前、だいぶ時間に余裕がある。
金峰山小屋で1泊
金峰山小屋に泊まるのは2度目だが、以前と同じようにごはんもおいしく、居心地のいい山小屋だった。
疲れていたこともあり、夕ごはんを食べてかなり早めに就寝した。金峰山小屋の詳細に着いては後日別の記事にまとめる。
金峰山小屋から瑞牆方面へ
翌朝、早く寝たこともあり4時ごろには目が覚めた。金峰山山頂に御来光を見にいくのに十分間に合う時間ではあったが、天気も微妙だし……とそのままうとうと。
5時くらいに起き出し、5時半ごろに朝ごはんを食べた。朝ごはんはお粥! おいしくておかわりまでした。
バスの時間もあるので、朝ごはんを食べてすぐに出発! 小屋の外には綺麗な朝焼けが広がっていた。
小屋を出て、瑞牆山方面へ向かう。
人にも行き合わず少し怖かったが、この絶景に勇気づけられた。
道中、富士山も綺麗に見えた。瑞牆山に着くころには雲で見えなくなっていたので、この山行中唯一富士山が見えたポイントとなった。
道中はとにかく岩場続き!
景色は今回のルートの中で一番よく、たくさん写真を撮った。
しばらく歩くと、樹林帯に入った。この辺りから、瑞牆方面から来た人とのすれ違いも増えてきた。
樹林帯には大弛峠からの道のようにきのこもあった。樹林帯といえど岩も多い下り坂が続き、少し大変。
大日岩に到着! 大日岩には登ることもできるようだが、今回は横目に見るだけにした。
大日小屋も通り過ぎ……
富士見平方面へ。
木々の間から差し込む陽の光がきれい。
金峰山小屋を出発してから約2時間、富士見平小屋に到着!
富士見平小屋の前にはテント場も広がっていて、テン泊組も多いようだった。小屋の前の広場にあるベンチで少し休み、いざ、瑞牆山!
瑞牆山登山!
富士見平小屋から瑞牆山に向けて歩き始める。
序盤は下り坂。やはり岩が多めだ。
道中には、瑞牆山山頂が見えるスポットも! 岩が聳り立つ独特の山容をしている。
道中には、マユミ(たぶん)の実もなっていた。
いよいよ登りにはいる。覚悟はしていたが、岩場の多い道が続く。身体全身を使って登らなければいけない箇所もある。
岩場が多い場所だから、と今回はストックを持ってこなかったが、やはり正解だった。手を使ってガシガシ登った方が登りやすい。
道中、ロッククライミングをしている人たちも見かけた。瑞牆山はロッククライミングの聖地でもあるらしい。ほぼ垂直の岩を登っていた。すごい……。
ハシゴなんかも登り……
瑞牆山山頂に到着!
金峰山と同じように、山頂から見える山を記した石板があった。
この日は八ヶ岳がとても綺麗に見えた。
景色を眺めながら、金峰山小屋で用意してもらったおにぎり弁当を食べる。こういう景色を見ると、日本っていいな、と思う。
方角によってはあいにく雲がかかってしまっていたが、それでも絶景だ。
ずっと見ていられそうだったが、バスの時間もあるので下山開始!
瑞牆山荘へ下山
元きた道を下っていく。登りよりも体力的には楽だが、岩場は下りのほうが怖い。慎重に、でもさくさくと降りていく。
無事に富士見平小屋に戻ってきた! あとは瑞牆山荘に降りるだけだ。
瑞牆山荘までは、わりとなだらかな下り坂が続く。途中、シカにも出会った。
瑞牆山がよく見えるスポットも。このスポットにはベンチもあったので、ここでしばらく瑞牆山を眺めるのもいいかもしれない。
30分ほどで瑞牆山荘に到着! 乗ろうと思っていた13時のバスに余裕で間に合いそうだ。
バスまで時間もあったので、瑞牆山荘のカフェでクリームソーダを頼んだ。フードメニューもおいしそうだったので、時間があればここでご飯を食べるのもいいかもしれない。
そうこうしているうちに韮崎駅行きのバスが到着! 時間が早めだからか、乗客は少ない。乗り込んでまもなく、バスは発車した。
下山後の温泉
路線バス・瑞牆韮崎線が通過する「ハイジの村 クララ館」に立ち寄った。
瑞牆韮崎線では、途中1回だけ下車できる片道乗車券も販売されている。私のように道中温泉に寄りたい登山者向けのチケットのようだ。
【営業時間】12:00〜20:00
【大人料金】820円(バスで100円引きクーポンをもらえた)
【施設】内風呂、サウナ
【アメニティ】シャンプー、リンス、ボディーソープ
瑞牆韮崎線の道中には、もう一つ増富の湯もあるが、老朽化による改修で閉鎖している。営業再開は未定だが、2025年4月頃の再開を目指しているらしい。
そのため、道中で温泉に立ち寄ろうとすると必然、クララ館になる。クララ館は内湯しかなかったが景色もよく、アメニティもしっかりしていて快適な温泉だった。登山後に立ち寄る温泉は混雑していることも多いが、私が行ったときには私以外誰もいなかったこともポイントが高い。
売店も併設されていたので、韮崎駅までのバスを待つ間、信玄餅アイスを食べた。
おわりに
今回、1泊2日の行程で金峰山と瑞牆山を縦走したが、ゆとりのあるスケジュールで快適な山小屋ステイと絶景を楽しむことができた。
登りが少ないルートなので、体力に自信のない人でもチャレンジしやすいかと思う。ぜひ、行ってみてほしい。