【群馬】山の鼻〜鳩待峠ルートで登る! 高山植物が咲き誇る至仏山 〜1泊2日尾瀬ソロ登山2日目〜
2023年7月中旬、至仏山に登ってきた。
至仏山は標高2,228mの山で、日本百名山の一つであり、花の百名山の一つでもある。夏の時期には多くの高山植物が咲き誇り、植生保護のために入山時期やルートに制限もある。尾瀬ヶ原の端にあり、尾瀬のシンボルとしても知られている。
今回はそんな至仏山に、尾瀬沼から尾瀬ヶ原を横断して山の鼻からスタートし、鳩待峠へ下りるルートで登った。
概要
地図
コースタイム
合計:8時間29分 / 休憩:51分
アクセス•メンバー
アクセス
尾瀬沼山荘に宿泊していたため、尾瀬沼から尾瀬ヶ原を経由し、登山口となる山の鼻まで歩いた。
尾瀬沼から歩くとかなりのロングコースになるが、日帰りであれば鳩待峠から入山すれば、標準コースタイム1時間程度で山の鼻まで行くことができる。
帰りは鳩待峠からバスで尾瀬戸倉に行き、バスを乗り換え沼田駅に出た。
メンバー
ソロ
高山植物が咲き誇る至仏山
至仏山について、深田久弥著『日本百名山』にはこのように記されている。
燧と至仏は尾瀬ヶ原を挟んで相対しているが、前者の威のある直線的な山容に引きかえ、後者は柔らかな曲線を描いて、何となく親しみ易い。
尾瀬ヶ原から見る至仏山は、確かに燧ヶ岳と比較して柔らかなフォルムを描いている。
至仏山は蛇紋岩という特殊な植生を育む岩石でできている。それにより、森林限界を超えた地点ではさまざまな高山植物が咲くお花畑のような景色を見ることができ、花の百名山にも選ばれている。
尾瀬沼から歩く! 山の鼻〜鳩待峠で登る至仏山
尾瀬沼山荘から出発! 尾瀬沼から尾瀬ヶ原へ
尾瀬沼山荘で朝食をとり、朝6時半過ぎに山の鼻に向けて出発!
尾瀬沼山荘から山の鼻までは、距離にして約13km、標準コースタイム約5時間のロングコース。出発を遅めにしてしまったので、早めのペースで山の鼻を目指す。
コースの最初は、尾瀬沼に沿ったルートだ。木々の隙間からときおり尾瀬沼と燧ヶ岳を眺めることができた。前日は雨だったが、この日は打って変わって晴天。陽の光にきらめく湖面が美しい。
しばらく進むと、尾瀬沼のほとりの小沼湿原に出た。朝だからか誰もおらず湿原の景色を独り占め!
さらに歩き、尾瀬沼の端、沼尻休憩所に到達! 休憩をとっている人が大勢いた。晴れてとても気持ちがいい。
尾瀬沼から尾瀬ヶ原までは、沼尻川に沿った道を歩く。こんな湿原を通ることもあれば、
鬱蒼とした森を通る道もあった。景色が変化して、飽きずに歩ける。
沼尻休憩所まではあまり人とすれ違わなかったが、この道は尾瀬ヶ原方面からくる人たちと多くすれ違った。
尾瀬ヶ原を散策
出発から2時間ほどで、尾瀬ヶ原の東端、見晴に到着! 見晴には多くの山小屋が集まっている。
中でも尾瀬小屋のおしゃれなテラスが目を引いた。ここもいつか泊まってみたい。
見晴を過ぎると、いよいよ尾瀬ヶ原に! 目指す至仏山も見えてきた。
振り返ると前日に登った燧ヶ岳。確かに至仏山とは対照的な山容だ。
オゼソウやニッコウキスゲなどの高山植物も愛でつつ、尾瀬ヶ原を歩く。
龍宮小屋を越えると、いかにも尾瀬! な池の多いエリアに入る。尾瀬ヶ原は見渡す限り美しい景色で写真を撮る手が止まらない。
山の鼻に近づくにつれどんどんと人が増える。ここまで来ると、登山装備ではなく普段着にスニーカーのような格好の人も増えてくる。確かに尾瀬ヶ原散策だけであればスニーカーで十分かもしれない。
山小屋に荷物を運ぶ歩荷さんともすれ違った。話に聞いていた通りものすごい荷物を背負っていた。私が尾瀬沼山荘でおいしいご飯にありつけたのも、歩荷さんのおかげである。
燧ヶ岳もだいぶ遠くなってきた。山の鼻までもう少し!
山の鼻到着!
歩き続けること約3時間半、ようやく山の鼻に到着! 標準コースタイムの5時間をかなり縮めることができた。
ここまでほぼノンストップできたので、至仏山登山の前に至仏山荘で腹ごしらえ。
まだ10時でそこまでお腹も空いていなかったので、ツルッと食べられそうな山菜うどんをチョイスした。
この旅2度目の花豆アイスも。エネルギー補給も完了したところで、いよいよ至仏山に登山開始!
山の鼻から至仏山へ
登山口までは研究見本園の脇を通る。研究見本園は、ツキノワグマが出たらしく閉鎖されていた。
至仏山荘周辺にはあれだけいた人がまったくきなくなり、少し心細い。
登山口に到着! わりと急な登りが続く。前日からの疲れもあり、歩みが急に遅くなる。
登り始めから高山植物がお出迎え。写真は左上から、ノアザミ、ニッコウキスゲ、クルマユリ。一番右下の花が何かわからなかったので、有識者の方教えてください。
登り始めは周囲に人がいなかったが、ある程度登ると他の登山者たちと出会った。残雪期以外、山の鼻からの道は登り一方通行なので、下山する人とはすれ違わない。
ある程度の高さまで上がると、尾瀬ヶ原が一望できるようになる。前日の燧ヶ岳登山では尾瀬ヶ原越しの至仏山を眺めたが、今度は尾瀬ヶ原越しの燧ヶ岳を眺めながらの登山だ。
樹林帯を越えて岩場へ。これが蛇紋岩なのだろう。
岩登りはつらいが、花と景色が応援してくれる。
最後の方は木道。写真では伝わりづらいが、左右に高山植物が咲いていてお花畑のようになっている。
振り返ると眼下にこの景色が広がっている。景色や花を眺めながらゆっくり登れば、意外と辛くない。
山頂へはあと少し!
至仏山山頂〜小至仏山
至仏山山頂に到着! 鳩待峠側から登ってきた人も多いのか、山頂にはかなりの人がいた。
尾瀬ヶ原はもちろん……
西側の山々も一望できた。
山頂で少しエネルギー補給をし、小至仏山を目指す。
小至仏山までの道は稜線歩き。コースがバラエティに富んでいて飽きないことも、この山の魅力かもしれない。
この道沿いにも多くの花が咲いていた。中でも目を引くホソバヒナユキソウ! 尾瀬を除くと谷川岳くらいでしか見られないらしい。
景色も壮観!
あっという間に小至仏山に到着!
下山開始
山頂からの景色を少し眺めてから、下山開始!
ここにも高山植物が! 本当にいろいろな花が咲いていて、まさに花の百名山。
気持ちのいい道を下っていく。
だんだんと木々が増えていき、
樹林帯へ。登山口まではもう少し!
鳩待峠の登山口に到着! ロングコースを歩き切った達成感!! お疲れ様でした。
鳩待峠から尾瀬戸倉へ
鳩待峠には売店と休憩所がある。人の多さに嫌な予感がし、急いでバスの乗車券を買ってバス停へ。
案の定、バスは長蛇の列だった。時刻表に関係なく増便されていたので、列の割には早く乗れたと思う。
バスに乗ること35分、尾瀬戸倉に到着!
下山後の温泉
下山後は、尾瀬戸倉のバス停近くにある尾瀬ぷらり館にある「戸倉の湯」に行った。
【営業時間】10:00〜18:00
【大人料金】600円
【施設】内湯、露天風呂
【アメニティ】リンスインシャンプー、ボディーソープ、ドライヤー
尾瀬ぷらり館は温泉のほか、ネイチャーセンターも併設されている。
私が行った時はやや混んでおり入場制限がかかっていたが、それほど待つことなく入れた。中はこぢんまりとしているが、入場制限のおかげかストレスはない。露天風呂もあり、さっぱり汗を流せて気持ちよかった!
おわりに
尾瀬2日目は20kmほど歩いたが、尾瀬沼と尾瀬ヶ原を両方楽しむことができ、飽きずに歩き続けることができた。
至仏山は花の百名山の名にふさわしく高山植物が咲き乱れ、樹林帯から岩場、稜線歩きとコースも多様な楽しい山だった。
燧ヶ岳と合わせても、至仏山だけでも楽しめると思うので、ぜひ花の時期に登ってみてほしい。