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【シンガポール】トランジットで無料ツアー! フリーシンガポールツアー(チャンギ地区ツアー)の予約方法&参加レポ

海外旅行に行く際、トランジットの時間が中途半端に空いてしまった経験はないだろうか?

せっかくなら観光でもできればいいのに、と思ってしまうが、シンガポールチャンギ空港では、そんな旅行客のために無料でツアーを開催している。それが「フリーシンガポールツアー」だ。

2023年8月、「フリーシンガポールツアー」に参加したので、今回はその様子をレポする。

フリーシンガポールツアー

フリーシンガポールツアーとは

フリーシンガポールツアーとは、シンガポール航空シンガポール政府観光局・チャンギ空港が共同企画で運営している、チャンギ空港でのトランジット旅行客のための無料ツアーである。

乗り継ぎの待ち時間が5時間半以上24時間以内の旅行客が対象で、1回のツアーは2時間半。中途半端な待ち時間の人でも楽しめるのが魅力だ。

2023年9月現在、空港周辺のローカル地区を巡るチャンギ地区ツアー」マーライオンなどシンガポールの観光名所を巡る「市内観光ツアー」、空港複合施設・ジュエルを巡る「ジュエル・ウォーキング・ツアー」文化遺産を巡る「ヘリテージツアー」の4つのコースが用意されている(リンク先にそれぞれのツアーの詳細が書かれている)。ツアーはすべて英語で行われる。

ツアーの受付は入国前の制限区域内にあり、乗り継ぎの待ち時間に入国は1回しかできないため、トランジットの時間が長くてもツアーに参加できるのは1回のみとなる。

古くは1987年から実施されていたこのツアーだが、コロナ禍で2年ほど中断されていた。2023年4月から再開され、多くの旅行客に利用されているようだ。

https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/plan-travel/privileges/free-singapore-tour/

予約の方法

ツアーに参加するために、オンラインから事前予約ができる。参加したいツアーの申込フォームから日付、時間、搭乗便、名前や国籍などの個人情報、メールアドレスを入力するだけと簡単。下のリンクから申し込みフォームにアクセスできる。

申し込みが完了すると、登録したメールアドレスあてに予約メールが届くので、当日制限エリア内にある受付に直接行けばOK。

シンガポール入国にあたっては、オンラインでSGアライバルカードの申請が必要なので、そちらも忘れずにやっておこう。

空きがあれば、当日受付で申し込みもできる。ただ、私が行ったときには数日前のオンライン予約の時点で締め切っているツアーが多数あったので、確実に参加したい場合は事前予約が確実だろう。

playpass.changiairport.com

https://eservices.ica.gov.sg/sgarrivalcard/

チャンギ地区ツアーに参加してみた

デスクで受付

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今回私は午前9時からのチャンギ地区ツアーに参加した。

予約メールに「7時半までに受付をするように」と書いてあったので、7時過ぎに受付ブースに向かった。私たちが利用した第3ターミナルの受付ブースは、トランスファーラウンジA付近にある。

ここで予約メール、搭乗券、パスポート、SGアライバルカードの確認をされる。確認が済むとツアー参加のシールを渡され、8時に付近に戻ってくるように言われた。

みんなで入国

8時少し前に受付ブースの近くに戻り、まだかな、とそわそわしていると、8時を少し過ぎた頃にツアーガイドさんが現れた。

最初に全員集められ、名前の確認をされる。私たちの回は24名ほどいた。インド系の方が多く、他には欧米系の方と日本人も何組かいた。

その場でこの日のツアーの簡単な説明を受け、入国審査の窓口に連れて行かれた。事前にSGアライバルカードの登録をしておけばパスポートを機械にかざすだけで入国できるようで、一瞬で入国できた。

今回のツアーで立ち寄るローカルエリアでは食事をとれるスポットもあるが、ローカルエリアであるが故に現金しか使えないそうで、必要な人は入国審査後にある換金所で換金することもできた。

専用のバスでツアースタート!

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全員無事に揃ったところで出発! 時刻はツアー開始予定の9時になっていた。

ターミナルを出ると、まさかのラッピングされた専用バスが出迎えてくれた。

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バスは広くてとても快適。

ツアー客を乗せたバスが最初の目的地に向かう。

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移動中もずっとツアーガイドさんが話をしてくれる。シンガポールは東京23区と同じくらいの広さであるが、約550万人が住んでいる。シンガポールの人は緑が好きなようで、なんと人口よりも多い700万本を越える木が植えられているらしい。確かに車窓から見える集合住宅にも緑が多かった。

地元のコミュニティセンター・Our Tampines Hubへ

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そうこうしているうちに1つ目の目的地、Our Tampines Hubに到着! ここは地元のコミュニティセンターだ。

集合場所と時間を告げられ、自由行動となったのでいろいろと見て回った。

写真に写っているのが大スクリーン。ここでは朝から晩まで上映プログラムが組まれていて、時間によってディズニー映画やサッカーの試合が上映される。正直ここだけでも1日潰せそう。

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屋台が集まるホーカーセンターもあった。朝なのに多くの人がいる。ホーカーセンターは道中通った集合住宅の1階にも多くあり、そこにも多くの人がいた。地域の暮らしに密着しているのだろう。

自由行動なので、当然ここでご飯を食べることもできる。ツアー参加者の中には食べている人もいたようだ。

飲食スペース以外にもテーブルと椅子が多くあり、勉強をしている子どもの姿も多くみられた。習い事も多くあり、本当にここだけですべてが完結しそう。


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スーパーもあったので寄ってみた。野菜や魚介類なんかは案外安そうだった。

日本のお菓子なんかも多くあったが、お菓子類は高めだった。

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東南アジアといえば砂糖の入ったお茶だが、シンガポールでは無糖の日本人好みのお茶も売っていた。さすがポッカ。

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中庭にはサッカーコートもある。本当に何もかもが揃っていて、地域住民はここですべての用を足せそうだ。

館内を見て回っているとあっという間に集合時間になり、集合場所に戻ってバスに乗り込んだ。

シンガポールには地方自治体のような組織がなく、代わりにこのようなコミュニティセンターがたくさんあって政府と住民を結びつけているらしい。シンガポールは移民の国で、本当にいろいろな民族が住んでおり、言語もさまざまだそうだ。こういったコミュニティセンターは、民族を超えたの交流の場にもなっているらしい。通常の観光旅行ではなかなか立ち寄らない場所で地元の方の暮らしを垣間見ることができ、なかなかにおもしろかった。

地元の人の憩いの場・チャンギビーチパークへ

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次に訪れたのは、チャンギビーチパーク。地元の商店が並ぶ場所で1度目の自由行動時間となる。

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ここにもホーカーセンターが。ホーカーセンターは本当に地域に密着しており、生活の一部になっているようだ。

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せっかくなので、屋台のチキンを食べた。揚げたてでおいしい。

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集合場所に戻ると、ツアーガイドさんがここの商店で買ったというお菓子を配ってくれた。見た目より甘くなくておいしい。

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集合場所からビーチサイドへ向かい、2度目の自由行動の時間となった。

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ここにはきちんとした砂浜のビーチが広がっていた。海の向こうはマレーシアのようだ。

海で泳いでいる人もいれば、木陰でピクニックをしている人やサイクリングをしている人もいて、地元の人の憩いの場であるようだった。

専用バスで空港へ

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いつの間にか迎えに来ていた専用バスに乗り、空港に戻る。

空港までもツアーガイドさんがいろいろな話をしてくれた。日本人の参加者も複数組いたからか、日本にまつわる話もしてくれた。第二次世界大戦中は日本に占領されていたため、ツアーガイドさん(若そうな方だった)の祖父母世代は日本語が話せる人も多いらしい。その一方で、高齢者世代の人は英語が話せない方が多いそうだ。

話を聞いているうちにあっという間に空港に到着した。時間はツアー開始後ぴったり2時間半後の11時30分! チャンギ空港には3つのターミナルがあるが、そのうちの希望のところで降ろしてもらえる。また、出国エリアに入る前のところで解散になるため、まだ時間がある人は市内に繰り出すこともできる。私も飛行機までまだまだ時間があったので市内に繰り出した。

おわりに

フリーシンガポールツアーは無料でありながらとても楽しめる内容で、移動もすべてバスなので楽々参加できた。ツアーはすべて英語で行われるが、ツアーガイドさんいわく、「何時にここに集合、ということだけわかれば大丈夫」らしいので、英語が苦手な方でも安心だ。今回はチャンギ地区ツアーに参加したが、他のツアーもおもしろそうで、このツアーに参加するためにトランジット時間を長くしてもいいかもしれないとすら思った。

シンガポールでトランジットを予定している人は、ぜひ参加してみてほしい。