【東京】TBS赤坂ACTシアターで『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇!
TBS赤坂ACTシアターで『ハリー・ポッターと呪いの子』を観劇してきた。
『ハリー・ポッターと呪いの子』は、ヴォルデモートとの最後の戦いを描いた『ハリー・ポッターと死の秘宝』から19年後の世界を描いた作品である。舞台オリジナルストーリーで、2016年にロンドンで初演を迎えて以来、世界各地で公演を行い、2022年からオリジナルキャストで東京公演が始まり、ロングラン上演となっている。
今回は、そんな舞台の観劇の様子をまとめる。
ハリーポッターと呪いの子
あらすじ
冒頭にも書いたとおり、『ハリー・ポッターと呪いの子』は『ハリー・ポッターと死の秘宝』から19年後の世界が描かれている。
ジニーと結婚したハリーは、3人の子どもに恵まれた。3人兄妹の真ん中、アルバスが11歳になり、ホグワーツに入学するところから物語は始まる。
アルバスは父のハリー・ポッターと折り合いが合わず、ホグワーツでも孤立してしまい、唯一の友人はハリーの宿敵であるドラコ・マルフォイの息子、スコーピウスだけであった。
ある日、ヴォルデモートとの戦いの中で亡くなったセドウィックの父が、魔法省が時間を巻き戻せるタイム・ターナーを押収したと聞きつけ、ハリーの元を訪れる。その話を聞いてしまったアルバスは、親友のスコーピウスとともに、タイム・ターナーを盗み出し、セドウィックを救うことを決意する……。
チケットの予約
チケットは公式サイトから購入できる。2023年10月現在、2024年3月までのチケットを販売している。
チケットの種類も複数ある。通常の開場時間より10分早く入場でき、みやすい座席で観劇できる9と4分の3番線シート、1階中央前方もしくは2階中央最前列のSS席を筆頭に、Sプラス席、S席、A席、B席、C席と多くの種類がある。抽選で当たり、5,000円という破格の値段で購入できるゴールデン・スナッチチケットなんてものまである。
私はチケットの発売開始日にサイトにアクセスしたが、9と4分の3番線チケットは一瞬で売り切れてしまっていた。SS席も前方から埋まっていっていたので、いい席でみたい場合は早めに予約した方がいいだろう。
予習は必要?
観劇するにあたり、どの程度予習をすればいいのだろうか。
私は熱烈なハリポタファン! というわけではなく、昨年ファンタスティック・ビースト最新作を見るために、ハリポタシリーズの映画を最初からすべて見た程度だ。ハリポタシリーズすべてと、ファンタビの映画を1回ずつすべて見て、今回の『ハリー・ポッターと呪いの子』については、大人になったハリー・ポッターの話、程度の前情報で観劇した。
その状態で観劇して一通りのストーリーを理解できたが、ストーリー展開が早いので、ハリポタに関する前知識がなかったらよくわからなかっただろうなと思った。観劇するにあたり、ハリー・ポッターシリーズのあらすじは一通り押さえておいた方がよさそう。
夜の部を観劇!
劇場へ
TBS赤坂ACTシアターの最寄駅である赤坂駅を降りると、早速ハリー・ポッターの世界が広がっていた。
劇場入り口も全面がハリー・ポッター! 期待が高まる。
開場まで時間もあったので、近隣のハリー・ポッターグッズを扱っているショップ、ハリー・ポッター マホウドコロにも立ち寄った。入店予約が必要な時期もあったようだが、私が行ったときは混んではいたがすんなりと入れた。
マホウドコロには、グッズのほかにこんなフォトスポットもあった。グッズもかわいいものがたくさんあって目移りする。レジが非常に混雑していたので、マホウドコロで買い物もしたい場合はかなり早めに赤坂に着いた方がよさそうだ。
ロビー
そんなこんなであっという間に開場時間に。
ロビーにも当然、ハリー・ポッターの世界観が広がっていた。
フォトスポットはたくさんあるが、とにかく人が多い! 10分早く入場できる9と4分の3チケットであればゆっくりと写真撮影も楽しめるので、やはりいいかもしれない。
ちなみに開演前のトイレは案外空いていた。
グッズ売り場
ロビーにはグッズ売り場もある。一部グッズは休憩後のみの販売だ。
私はパンフレットだけ購入した。
開演前はかなり混雑していたが、休憩時間はトイレに並ぶ人が多いからかわりと空いていたので、グッズ購入は休憩時がチャンスかもしれない。
カフェ
劇場にはカフェもあった。
メニューはちょっとしたご飯類、ドーナツ、アイスやポップコーンとドリンク。蓋つきのドリンクは客席に持ち込めるが、それ以外は持ち込めない。
せっかくなのでビーフシェパーズパイとドーナツ、ドリンクを注文した。ちょっとした飲食スペースでささっと食べる。どれもおいしかった。
いざ開演!
開演前の時間も存分に楽しみ、いよいよ舞台の幕があがる。舞台は第一幕100分、休憩20分、第二幕100分、合計3時間40分のかなり長丁場だ。
以下、一部ネタバレも含むので、これから観劇しに行く予定の方はご注意いただきたい。
かなり長丁場の舞台なのだが、開演と同時に一気に舞台の世界観に引き込まれ、あっという間に休憩時間となった。
第一幕は、アルバスがホグワーツに入学するところから始まる。後に親友となるスコーピウスとの出会いから、ホグワーツに馴染めず孤立し、同じく周囲から孤立しているスコーピウスだけが唯一の理解者となっていく様子、英雄・ハリー・ポッターの息子ならではの苦悩に苦しむ様子があっという間に描かれていく。舞台はとにかく展開が早く、またかなり早口で進んでいくので集中していないと置いて行かれてしまう。しかしそれだけのスピードでも、アルバスが年単位でどのようにホグワーツで過ごしてきたかわかるからすごい。
アルバスが4年生になったとき、物語が動き始める。スコーピウスとともに、タイム・ターナーでセドウィックを救うための冒険を始めるのだ。
セドウィックが亡くなった『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の三大魔法学校対抗試合でセドウィックが優勝するのを阻止しようとするのだが、史実上こうであったのをこう変化させればよい、というのを解説してくれるのであまり内容を覚えてなくてもすっと理解できる。
タイム・ターナーで史実を操作したことで、ヴォルデモートとの最後の戦いでハリー・ポッターが負け、ヴォルデモートが支配する最悪の世界になったところで、第一幕が終わった。
第一幕では、まず魔法の世界の表現に引き込まれた。魔法省への入り口、ハリーとマルフォイの戦い、デス・イーターの出現。どれも本当に魔法のようで、それを舞台という場で再現していることに感動した。
ストーリーにも引き込まれた。『ハリー・ポッターと呪いの子』では、ハリーは完全に毒親である。映画で見た限りだとそんな印象は抱かず、私もどちらかというと「英雄・ハリー・ポッター」のイメージを抱いていたが、人間らしさが存分に溢れていた。そんな英雄の子どもであることによるプレッシャーや葛藤、親の宿敵の子どもとの親交、というモチーフもとてもよかった。
第二幕では、ヴォルデモートの支配する世界を元に戻すために、スネイプ先生(この世界では生きている!)やハーマイオニーとロンと一緒に、スコーピウスが奮闘するところから始まる。ヴォルデモートの支配する世界では、ハリーは死んでいるので、当然アルバスはいないのだ。
元の世界ではヴォルデモートの子どもではないかと噂され、周囲から孤立し「負け組」扱いされているスコーピウスも、ヴォルデモートの支配する世界では最も優秀で期待されている生徒であった。ともすればその世界に取り込まれてしまいそうだが、元の世界を、アルバスを取り戻すために奮闘するスコーピウスは健気だ。
スコーピウスやスネイプたちの尽力で元の世界に戻ったスコーピウスとアルバスを待っていたのは、ヴォルデモートの娘・デルフィーニによる、ヴォルデモートの支配するもう一つの世界に戻そうとする陰謀であった。デルフィーニによって再びタイム・ターナーで過去に戻されたアルバスとスコーピウス、息子たちを助けようとするハリーとマルフォイたち。みんなの協力によって、再び平穏な世界に戻るのであった。
第二幕も魔法の世界に引き込まれ、あっという間に終演となった。
元の世界に戻ったところで、ハリーによって引き裂かれたアルバスとスコーピウスのすれ違い、孤独な彼らにはお互いが必要なんだとハリーに説くマルフォイ、少しずつ息子と向き合おうとしていくハリー。魔法の世界でありながら、親子の関係性という普遍的なテーマを扱うストーリーはおそらく誰でも引き込まれてしまう。
ともすれば友情以上の何かすら感じさせるアルバスとスコーピウスの関係性もよかった。中でもスコーピウスがホグワーツに入ってよかった、と語る場面が好きだ。ハリー・ポッターのような友人を作ることを夢見て入ったら、ハリー・ポッターの息子と友達になれた。スコーピウスは、「ハリー・ポッターよりも、君の方がずっといい」とおそらくアルバスが一番聞きたい言葉をさらりと言うのだ。
今回、藤木直人が好きで藤木直人が出演する回を見に行ったが、それ以外のキャストもよかった。特にロン役のエハラマサヒロがかなりのハマり役で、緊張感のある舞台を適度に弛緩させてくれていた。座席はSS席ではやや後ろの方だったが、肉眼でも俳優さんの表情を見られるくらいで大満足。
ストーリー、演出ともにとにかく大満足だった。全体を理解した上で、もう一度見に行きたいとすら思った。キャストによっても異なる舞台になるであろうから、違うキャストでも見てみたい。
おわりに
『ハリー・ポッターと呪いの子』は、思わず引き込まれるストーリーと心躍る魔法の演出で、熱烈なハリー・ポッターファンではない私でも大満足できる舞台であった。違うキャストでももう一度見てみたいし、なんならロンドンやブロードウェイの講演も見てみたい。
今のところ2024年3月までは上演が決まっているので、気になっている人はぜひ早めにチケットを取って見に行ってみてほしい。