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【富山】山頂で万歳三唱!? 雄山、大汝山、富士ノ折立周回コースで登る立山

2023年8月上旬、立山に行ってきた。

立山は、主峰の雄山(3,003m)、最高峰の大汝山(3,015m)に富士ノ折立(2,999m)を加えた3峰からなり、日本百名山にも選定されている。3,000m級の北アルプスの山でありながら登りやすい山で、多くの登山者が訪れる。

今回は、室堂ターミナルから宿泊地・みくりが池温泉に行き、雄山、大汝山、富士ノ折立を周遊し、みくりが池温泉に降りてくるルートで登った。

コースのおすすめポイント

■ 雄山までは登りやすい道で気軽に行ける

■ 山頂で万歳三唱ができる

■ アルプスの山々を一望できる

概要

地図

コースタイム

合計:6時間55分 / 休憩:1時間34分

アクセス•メンバー

アクセス

今回は長野側から立山アルペンルートで登山口となる室堂ターミナルまで行った。

長野側の玄関口は扇沢駅である。扇沢まではバスなどでもアクセス可能だが、今回は車で行った。駐車場は駅から徒歩圏内の無料駐車場と有料駐車場がある。そちらが満車になると、シャトルバスで15分ほどの有料駐車場に案内されるようだ。

www.alpen-route.com

メンバー

2人

日本三霊山立山

立山は古くから信仰の山として知られている。深田久弥著『日本百名山』にも、立山はわが国で最も早く開かれた山の一つ」と記されている。立山が古くから栄えたのは、やはり信仰の山であるかららしい。富士山、白山と並んで日本三霊山とも呼ばれている。

そんな立山も、立山アルペンルートの開通により現在は気軽に登れる山となっている。ロープウェイやバスを乗り継ぎ室堂ターミナルに降りると、登山客だけでなく通常の観光客も多くみられる。実際、登山をせずとも室堂ターミナルの周りを散歩するだけでも絶景が楽しめた。

立山・雄山、大汝山、富士ノ折立周回ルート

立山黒部アルペンルートで室堂へ

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扇沢駅から立山黒部アルペンルートへ。

扇沢側から室堂に行くには、まず電気バスに乗り黒部ダムへ行く。黒部ダムを横目に15分ほど歩き、黒部湖から今度はケーブルカーに乗り換え黒部平へ行き、ロープウェイに乗り換える。ロープウェイの終着点、大観峰からさらにバスに乗り換え、ようやく室堂に着く。乗り換えがうまくいったとしてもトータルで1時間ほどかかる。

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時間はかかるが、道中迫力満点の黒部ダムを見学できるなど、楽しみながら室堂に向かうことができる。立山黒部アルペンルートを含む旅程詳細については後日別の記事にまとめる。

室堂からみくりが池温泉

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立山黒部アルペンルートを経て1時間半ほどかけて室堂ターミナルに到着! ものすごい数の人で溢れていた。

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今回はみくりが池温泉に宿泊予定なので、まずはみくりが池温泉に向かい不要な荷物を預けることにした。写真の奥に見える建物がみくりが池温泉だ。みくりが池は無加工でこの青さ! 

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荷物を預け、活動開始! みくりが池に立山が綺麗に反射し、絵葉書のような景色を見ることができた。

雄山に向かって登山スタート!

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まずは立山の主峰・雄山に向かう。室堂周辺は舗装された起伏のない道であり、街の格好の人も大勢いた。確かに登山せず室堂の周りを散策するだけでも楽しそう。

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天気にも恵まれ、どこを見ても絶景が広がっていた。途中、遠目にではあるが雷鳥も見かけた。

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高山植物もたくさん咲いていた。チングルマはもう終わりかけであったが、花の季節はさぞかし綺麗だったことだろう。

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雄山までの道は、舗装されたゆるやかな登りが続く。子どもたちの姿も多く見られた。

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振り返るとこの絶景!

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道中、雪渓も残っていた。雪渓歩きをするわけではなく、登山道の真横に雪渓があるので、気軽に楽しめる。

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1時間半ほどかけて一ノ越山荘に到着! ここで凍ったなっちゃんを買った。この日は暑かったので、めちゃくちゃおいしく感じた。

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一ノ越山荘からは、アルプスの山々が綺麗に見えた。

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ここから先は岩場になる。雄山までは人が多く、特にここから先の岩場が混雑しており、渋滞している場所もあった。

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登りやすい岩場ではあるが、小石を下に落としてしまいそうで少し怖い。

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こちらも振り返るとこの絶景である。みくりが池まで見渡せる。

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目指す山頂が見えてきた。雄山まであと少し!

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山頂付近の広場に到着。どれがどの山かを示す石碑もあった。

立山頂上雄山神社に参拝!

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山頂付近には雄山神社立山頂上社務所があり、御朱印をもらったり、お守りを購入したりすることもできた。

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山頂はどこだろう……と探すと、どうやらこの上らしい。

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山頂の雄山神社に参拝するためには、おとな1人700円の料金がかかる。700円を支払うと、チケットの他に登拝記念のお札をもらえた。

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山頂への道は非常に狭いので、ザックは置いて登るように言われる。人数で区切っているようで、少し待って順番がきた。

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雄山頂上に到着! 雄山頂上には雄山神社の社殿があり、神主さんもいる。

頂上に着くと、登山客はみんな座るように言われ、神主さんが祈祷をしてくれた。祈祷が終わると説法もあり、これがまたおもしろかった。

そのあとは、登山客全員で万歳三唱! コツは恥ずかしがらないこと、とのこと。腹の底から声を出して万歳三唱をした。これがまた楽しく、清々しい気持ちになった。

日本に山は数多くあれど、山頂でみんなで万歳三唱をできる山はそう多くない。祈祷といい、説法といい、登山+αの経験ができる山として外国人観光客にももっと押し出せるのではないかと思った。言葉が適切かはわからないが、富士山よりも日本らしい体験が楽しめるし、おまけに雄山であればそこまで労力をかけずに登れる。

大汝山を経て富士ノ折立へ

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雄山を楽しんだあとは、大汝山へ向かう。大汝山へは細く岩の多い道となる。

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ここからも室堂方面の絶景が眺められた。

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20分ほどで大汝山山頂に到着! 立山最高峰だ。

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お腹も空いたので、山頂近くの大汝休憩所に立ち寄った。

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エキゾチックでかわいい店内では、軽食からきちんとした食事まで、いろいろなメニューが食べられる。

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定食とカレーを頼もうと思ったが、終わってしまったとのこと。「ミニ定食」ならできるとのことなので、ミニ定食を注文した。

これがまたおいしかった。見た目はシンプルだが、オムレツの中にはいろいろな具材が入っていた。私が行ったときは混み合っていてタイミングによっては注文ができなかったようだが、本当においしかったのでぜひ立ち寄ってみてほしい。

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腹ごしらえも済んだところで、今度は富士ノ折立に向かう。

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富士ノ折立の山頂は、どうやらこの岩の上らしい。ザックを置いて身一つで登る。

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途中、黒部湖の綺麗なブルーも眺めることができた。

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富士ノ折立山に到着! なかなかスリリングで楽しかった。

富士ノ折立からみくりが池温泉

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立山を周回したところで、下山開始。宿泊地のみくりが池温泉に向かう。

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登山道の両脇に雪渓の残る稜線を歩く。景色の壮大さが旭岳を思い出させた。

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途中で稜線を外れ、みくりが池温泉方面に向かう。この富士ノ折立から下山する道が、ずっとがれ場が続いてなかなか辛かった。がれ場が続いて歩きにくいし、とにかく長い!

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2時間ほどかけてがれ場を降りると、雷鳥沢野営場の色とりどりのテントが見えてきた。雷鳥沢野営場は混み合っていたが、近くに川も流れていて気持ちよくキャンプができそうだった。

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ここからみくりが池温泉までも実はそれなりに距離がある。

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途中、地獄谷を通り……

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見るからに不毛な地である場所を通り……

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血の池も通り抜け……(酸化鉄で水の色が赤く濁っているらしい)

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みくりが池温泉に到着! 午前は晴天だったが、夕方にはガスが立ち込めていた。

下山後の温泉

下山後は、宿泊先のみくりが池温泉で温泉に入った。

♨温泉概要(日帰り入浴の場合)

【営業時間】9:00〜16:00

【大人料金】1,000円

【施設】内風呂

【アメニティ】リンスインシャンプー、ボディーソープ、ドライヤー

みくりが池温泉は日中の時間帯であれば日帰り温泉も受け付けている。日本一高いところにある天然温泉らしい。

硫黄の匂いが立ち込める温泉らしい温泉で、身体はぽかぽか、お肌はつるつるになるとてもいい温泉だった。日帰り入浴でも十分楽しめるが、宿泊地としても最高だったので宿泊も検討してみてほしい。

おわりに

立山登り始めの標高が高く、特に雄山までは子どもでもチャレンジできる道でありながら、北アルプスならではの絶景と他ではなかなかできない山頂神社の参拝が体験できる山であった。

私は北海道の山が好きで、本州の山で北海道の山を越えるところがなかなかないなぁ、と思っていたのだが、立山は北海道の山に負けず劣らず好きな山となった。今まで行った本州の山の中でトップクラスに好きである。好きな山が増えるのは幸せなことだ。