【熊本】活火山の火口を間近に見学! 阿蘇山(仙酔峡〜高岳〜中岳コース)
高岳は標高1,592m、中岳は標高1,506mの山で、どちらも阿蘇五岳に含まれる。5月上旬から中旬には、九州の固有種であるミヤマキリシマも見ることができる。
今回は、ミヤマキリシマの咲く時期に仙酔峡〜高岳〜中岳のルートで登った。
概要
地図
コースタイム
合計:4時間12分 / 休憩:37分
アクセス•メンバー
アクセス
前日に熊本市内に宿泊し、市街のホテルから車で仙酔峡まで向かった。熊本市内からは約1時間半弱だった。
メンバー
2人
世界最大級のカルデラ
阿蘇山は深田久弥氏が選定した日本百名山の一つであるが、「阿蘇山」という名前の山が存在するわけではなく、カルデラと中央火口丘で構成される火山である。阿蘇山を構成する阿蘇五山の中でもっとも標高が高いのが高岳であり、道中に火口を眺められる展望台があるのが中岳であるため、高岳と中岳を巡るルートがもっともポピュラーなようだ。
深田久弥氏の著書『日本百名山』の中でも、その広大さについて触れられている。阿蘇より高い祖母山や久住連山から眺めると、より大きさを実感できるらしい。
今回は、⑨仙酔尾根ルート→⑦火口東展望所ルート→⑥仙酔峡ロープウェールートを選択。中岳から火口東展望所ルートは、阿蘇山の噴火警戒レベルが2以上の時は立入禁止となる。直近では2023年の3月まではレベル2だったようで、今回火口付近まで行けたのは幸運だった。
阿蘇山(仙酔峡〜高岳〜中岳)
仙酔峡から登山スタート!
仙酔峡駐車場から登山スタート。駐車場にはそれなりに車があったが、複数の駐車場があることもあり、駐車スペースには余裕があった。
車を降りた途端に、鼻をつくのは硫黄の匂い。ここが活火山であることを認識させられる。
駐車場にはトイレも完備されていた。登山ではなく、仙酔峡のミヤマキリシマを見にきた人々も多くいるようだった。
仙酔峡尾根ルート入り口。
仙酔峡はミヤマキリシマが咲き誇ることで有名で、「あまりの花の美しさに仙人も酔う」から仙酔峡といわれているらしい。私が行ったころは花の盛りは過ぎていたが、それでもピンクが目に鮮やかできれいだった。
通称「バカ尾根」! 岩稜を登る
ミヤマキリシマが咲き誇るゾーンを過ぎると、いよいよ岩稜地帯、通称「バカ尾根」に差しかかる。
遮るもののない道をひたすら登る。岩だらけの道で、岩に描かれた黄色い印を頼りにルートを探し、登っていく。
右手には植物の一切ない、活火山っぽい風景。
左手には高原地帯。
確かに岩が多く歩きにくいし、傾斜もあるが、今回かなりゆっくりペースで歩いたからか、そこまで辛くなかった。景色が素晴らしかったせいもあるかも。
道中にはこんな岩場も。滑落しそうで怖いルートも多々あった。
高岳から中岳へ
2時間程度の登りを終えると、稜線に出る。ここから高岳まではあと少し!
山頂からの景色。煙があがっているところが、火口だ。遠目からでもすぐにわかる。
高岳の次は、中岳へ向かう。
この辺は山肌に緑が一切ない。独特の山容と、阿蘇の景色の対比が美しい。
稜線を伝い中岳へ!
中岳山頂に到着! 火口が見えてきた!
阿蘇の火口を間近に見学!
火口東展望所までの道を進む。まるで火星みたい。行ったことないけど。
踏み締める礫の感触は軽く、カラッと音がする。普段とは違う感覚に、火口に近づいていることを感じる。
火口周辺には、ひっきりなしにヘリコプターが飛んでいた。観光ヘリコプターだろうか。
火口東展望所まで、あと少し。
火口の間近に到着! もくもくと煙が上がっている。硫黄の匂いがいっそう強くなり、少し喉をやられてしまった。
その迫力に感動しながらも、早々にその場を後にした。
仙酔峡ロープウェーコースで下山
火口東展望所からは、舗装された仙酔峡ロープウェーコースを辿る。
道中、噴火した際の避難場所と思しき建物がいくつもあった。
深田久弥氏も利用した、ロープウェーの跡。すごく古そうに見えたが、2014年までは運行したらしい。熊本地震や火山活動の長期化の影響で、現在は完全な廃業が決まったようだ。
眼下に阿蘇の景色を眺めながら道を下る。駐車場まではあと少し!
仙酔峡ロープウェーコースの下山口にもミヤマキリシマが咲いていた。駐車場に戻り、登山終了。下山をするころには、観光客も増え、駐車場は賑わっていた。
下山後の温泉
今回は下山後瀬の本高原ホテルに宿泊したため、ホテルの温泉で汗を流した。
露天風呂からは日中は阿蘇の雄大な景色、夜は満天の星空が眺められる。露天風呂だけでも行く価値あり!
瀬の本高原ホテルは、露天風呂以外も何もかもが最高だった。
おわりに
ずっと来てみたかった阿蘇山では、本州ではなかなか見られない景色をたくさん見ることができた。
美しい花、活火山ならではの岩稜、雄大な阿蘇の景色、そして大迫力の火口見学が楽しめるコースは、遠征してでも行く価値がある。ぜひ、いってみてほしい。