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【東京】ワインを片手に名画を描く! artwine.tokyo(アートワイン)に行ってみた

ある日、友人の家に遊びに行ったときのこと。家に素敵な絵が飾られていた。絵飾るのいいね、と言うとなんと、「これ、自分で描いたんだよ」という。その友人が絵を描くなんて、聞いたことがなかった。

よくよく話を聞くと、artwine.tokyo(アートワイン)という、ワインを飲みながら名画を自分で描いてみるワークショップに参加したという。何それ、行ってみたい! ということで、実際に行ってみた。

artwine.tokyo(アートワイン)

artwine.tokyo(アートワイン)は、その名の通りワインを飲みながら絵を描くワークショップ

モネやルノワールマティスなど有名画家の名画がお題として用意されており、美大出身の方が講師として教えてくれる。キャンバスから絵の具、エプロンまですべて用意してもらえるので、完全に手ぶらで参加でき、1回2時間〜2時間半でアート体験ができることが魅力だ。

ワークショップでは、お題となる名画に合わせてペアリングされたワインと、おつまみも用意されている。ワインを飲み、おつまみも食べながら気軽に参加できる。

メインとなる上野/根津の会場以外に、広尾や池袋、パークホテルなどでも開催されている。

予約はホームページからできる。人気の題材は早めに予約が埋まってしまうようなので、気になるものがあれば早めに予約をするのがおすすめだ。

artwine.tokyo

実際に参加してみた!

上野/根津のワークショップに参加

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今回は、上野/根津のワークショップに参加した。会場は住宅街の中にある集合住宅のような場所の2階にあった。

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中に入ると、多くの絵が飾られていた。

今回のお題はこの写真にも写っている、オーギュスト・ルノワールの「桃の静物」。

この作品は、ルノワールの作品の中であまり有名ではないものだ。パトロンにお題を与えられ、目の前で仕上げた作品だという。現在は、フランスのオランジュリー美術に収蔵されている。オランジュリー美術館の公式HPに本物が掲載されているので、気になる人はリンクから飛んでみてほしい。

www.musee-orangerie.fr

最初に私のアート経験について触れておく。絵を描く習慣はまったくなく、最後にまともに絵を描いたのは、中学の美術の授業だ。当然筆を持つのもそれ以来となる。

アートの知識もまったくない。美術館に足を運ぶ習慣もなく、ヨーロッパに旅行に行ったときに観光の一環で美術館に行ったことがある程度だ。アムステルダム国立美術館ルーブル美術館エルミタージュ美術館と超有名美術館に足を運んだ結果、「私には宗教と芸術はわからない」ことがわかり、それ以来旅先で美術館に行くこともなくなった。博物館や動物園の方がよほど楽しめる。

楽しそう! だけで飛びついてしまったが、果たして私でもまともな絵が描けるのか、だんだんと不安が募ってきた。

ワインを片手に絵を描く

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そんな不安をよそにワークショップが始まった。まずはワインが配られる。このワインは今回のお題「桃の静物画」に合わせてペアリングされたものらしい。飲みやすくておいしい。

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各席には、真っ白なキャンバスと絵の具、数種類の筆が用意されている。題材となる絵についての説明を受けたあと、さっそくワークショップが開始された。

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まずは黄色の絵の具で、だいたいの位置のあたりをつける。どこから描くか、どんな感じで描くか、先生が一緒に作業をしながら教えてくれた。

一度描くと消せない……と最初は怖気付いたものの、えいやと描きすすめる。

その後、背景、テーブル、器……とレッスンが進んでいく。すべての行程で、先生がお手本を見せながら説明してくれて、使う筆やそれっぽく仕上げるポイントを教えてくれる。原画を参考にしてもいいし、部屋にたくさん飾られている過去の作品を参考にしてもいいし、一緒に仕上げている先生の作品を参考にしてもいいし、自分の好きなように仕上げてもいい。先生も、自分でやりたいことができたら好きなように表現してもいい、とおっしゃっていた。桃の色は青でもいいし、なんなら桃じゃなくてもいい。

最初は戸惑いながら始めたが、お酒が入ったこともあるのか、だんだんと楽しくなってきて大胆に筆を進めていく。指をつかって絵の具をぼかしたりもしながら、描き進めていった。

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途中経過がこちら。ぜんぜん桃に見えない! と悩みながらどんどん描き足していく。「一度立ち上がって離れて見てみるのもいいですよ」とのアドバイスを受け、ワインを飲みながら立ち上がってみたり、とりあえずおつまみを食べてみたりしながら加筆していった。

同じワークショップにいた他の人たちの作品も見てみたが、同じ題材を描いているはずなのに人によってぜんぜん違う雰囲気の絵になっていた。個性が出ておもしろい。

「ここをこうしたいんですけど」と先生に相談すると、アドバイスもしてもらえる。悩みながら、飲みながら、どんどんと描き進めた。かなり夢中になり、あっというまに2時間以上が経過した。

夢中になりすぎて終わったときには手などいろいろなところに絵の具がついていた。エプロンをしていたので幸い服にはつかなかったが、袖がないタイプのエプロンなので、汚れてもいい服で参加した方が無難そうだ。

完成!

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試行錯誤の末、完成したのがこちら!

文字通り自画自賛となるが、中学ぶりに筆をとったにしてはよく描けているのではないだろうか? 現在家のよく見えるところに飾っているのだが、眺めては我ながらよく描けたなぁ〜と悦に浸っている。

背景のところをもっとグラデーションにしたらよかったな、とか、手前の桃をもうちょっと描き足せばよかった、とか思うところはあるものの、とても満足のいく出来になった。同じ題材で何作も描く画家の気持ちが少しだけわかった。

ちなみに、完成した作品と写真を撮る用のスペースもあり、一緒にきた友人と一緒に写真を撮ることができた。作品が入るサイズの紙袋も配られ、持ち帰りも簡単。至れり尽くせりだ。

あとから聞いたのだが、実はこの「桃の静物画」、アートワインのワークショップの中でもかなり難しい部類らしい。それでも、完全なる初心者の私が参加してそれっぽい絵を描けたのだから、このワークショップのプログラムと講師の方は本当にすごい。

おわりに

今回初めてartwine.tokyoに参加したが、とても楽しく、初心者でも気軽にアートに親しむことができた。久しぶりに絵を描いてみたら思っていた以上に楽しくて、他の題材でも参加したくなった。リピーターも多いらしいが、それも納得だ。

これまで「宗教と芸術はわからない」とあまりアートに親しんでこなかったが、純粋に美術への興味も湧いた。今回題材とした「桃の静物画」も見てみたいし、他の絵も見に行きたくなった。

大人になってから夢中になって絵を描くことなんてほとんどないと思う。ある意味非日常に浸れるワークショップ、私のようなアート初心者の方にこそぜひ参加してみてほしい。