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【北海道・雨竜】天空のお花畑を歩く! 雨竜沼湿原湿原〜南暑寒岳

2023年7月初旬、雨竜沼湿原に行ってきた。

雨竜沼湿原は北海道の雨竜町にある湿原で、夏には様々な花、秋には草紅葉を楽しめる湿原である。登山口から1時間半ほど登ったところに突如湿原が現れることから、天空のお花畑とも言われている。7月には、エゾカンゾウが咲き誇ることでも有名だ。

今回は、雨竜沼湿原からその先の南暑寒岳まで登るルートを歩いた。

コースのおすすめポイント

■ まるで天国のような湿原の景色を楽しめる

■ 7月にはエゾカンゾウを始めとする高山植物が楽しめる

■ 南暑寒岳からはまた違う絶景を見ることができる

概要

地図

※地図は雨竜町が提供しているもの(雨竜沼湿原について - 北海道雨竜町)。

コースタイム

合計:6時間30分 / 休憩:42分

アクセス•メンバー

アクセス

今回はで行った。札幌からだと車で2時間半かかるため、1時間半ほどの距離にある旭川に前泊した。

登山口となる南暑寒荘まで公共交通機関は通っておらず、距離もあるため、車でないとアクセスは難しい。

また、南暑寒荘までの道はかなり狭い舗装されていない道で、運転に慣れていない人は注意が必要だ。かくいう私も登山口に着くまでにかなり神経を使った。

メンバー

ソロ

天空のお花畑・雨竜沼湿原

雨竜沼湿原は、雨竜町にある。

雨竜町と言われてもピンとこない人が大半だろう。場所としては北海道の北西部に位置し、留萌や増毛が近い。雨竜町の近くには、ひまわりで有名な北竜町もある。

雨竜沼湿原「北海道の尾瀬とも呼ばれる湿原で、ラムサール条約の登録湿地にも認定されている。

その景色はまさに天空のお花畑と呼ぶにふさわしい絶景で、入山可能な6月〜10月には多くの人が訪れる。

ヒグマの目撃情報が多い地域でもあるので、入山時には注意が必要だ。

雨竜沼湿原〜南暑寒岳絶景ハイク

第一の難関、南暑寒荘への道

登山口となる南暑寒荘までは、雨竜町市街から約26kmの距離がある。道中、舗装されていない細い道が続き、運転慣れしていない人にはハードルが高い。

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こんな道で対向車がきたら、ちいかわになるしかない。幸いなことに行きは対向車に出会わなかったが、登山口に着くだけでぐったりだった。

登山スタート!

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やっとの思いで登山口につき、車を停める。駐車場は十分な広さがあったが、時期によっては混み合うので早めの時間に行った方がいいかもしれない。

まずは管理棟にて登山届を出し、入山協力金500円を支払う。

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協力金を支払うと雨竜町で使えるクーポン券と、ポストカードをもらえた。

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綺麗なトイレもある。

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南暑寒荘には宿泊も可能だ。

湿原までの道

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湿原までは、標準コースタイムで1時間半ほどかかる。

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道中、白竜の滝の前を通る。迫力満点!

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第二の吊り橋。

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湿原までは遮るものがあまりない道が続く。天気もよく、気温も高い日で容赦ない日差しが降り注いでいた。かなりバテバテになってしまって、前日ヒグマによる死亡事故について調べて寝付けなかったので寝不足のせいかとも思ったが、帰りもしんどかったのでおそらく気温のせいだろう。

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南暑寒岳が見えてきた!

雨竜沼湿原を散策

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雨竜沼湿原の入り口に到着! 湿原に外来植物の種子を持ち込まないため、湿原に入る前に靴の裏を洗う。

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雨竜沼湿原に到着! 抜けるような青空と、遠くにかすかに見える南暑寒岳が美しい。

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木道の途中には展望スペースもあった。

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展望スペースには雨竜沼湿原の文字も。記念撮影にもいいかもしれない。

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美しい風景が続く道をのんびり歩く。

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木道の脇には、エゾカンゾウを始めとする高山植物も咲いていた。本当に天空のお花畑という表現がぴったりで、写真を撮る手が止まらない。

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湿原の途中からは一方通行に。

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池に映る青空も美しい。

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今年は例年より雪解けが早かったようで、エゾカンゾウの開花も早かったようだ。以前であれば開花後しばらくは満開のエゾカンゾウを楽しめたようだが、近年エゾシカの食害により、満開の時期がすぐに終わってしまう。私が行った時もエゾシカに食べられてしまったのか満開ではなかったが、それでもぽつぽつとエゾカンゾウを楽しめた。

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分岐から展望台の方へ。

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上り坂をしばらく登ると、展望台に出る。

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展望台はこの混みようだった。

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雨竜沼湿原を少し高いところから眺められる。なんとか場所を見つけ、ここでエネルギー補給をした。

ここまで来たところで、南暑寒岳まで行くかしばらく悩んだ。漏れ聞こえる話では南暑寒岳まで行く人は少なそうだし、南暑寒岳までの道はヒグマの目撃情報が多い場所だ。おまけに今回はソロ。

悩みに悩んで、やっぱり今回はこのまま下山しようかな……と思い展望台を後にしたが、気がついたら南暑寒岳への登山道に足が向かっていた。

南暑寒岳へ

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南暑寒岳までは緩やかな登りが続いた。道も歩きやすく、傾斜がきつくないのですいすいと登れる。また、雨竜沼湿原までの道は暑くてしんどかったが、南暑寒岳までの道はある程度標高も上がったからか暑さもそこまでつらくない。

ただ、両脇が笹藪になっている。ヒグマも私もお互いに気が付かず、至近距離で鉢合わせするリスクが高い

この日は天気のいい休日だったため、思ったよりも人がいたが、それでも1人になる時間が長い。2つつけてきた熊鈴をガンガン鳴らし、事前にダウンロードしていた落語も流しながら先を急いだ。

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ある程度登ると、視界が開けてきた。眼下に雨竜沼湿原が見える。

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三角点に到達! 山頂まであと少し!

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南暑寒岳山頂に到着! 山頂にはわりと人がいた。

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山頂はこの大パノラマ! 迷ったけど登ってよかった。

ここから暑寒別岳に抜け、増毛方面に降りることもできるようだ。ただ、南暑寒岳から暑寒別岳までの道は、さらにヒグマのリスクが高いらしい……。

しばしこの絶景を楽しみ、エネルギー補給をして、下山開始!

下山開始!

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下山時も気を抜けない。ヒグマに怯えながら、かなり早足で下山していく。

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タツノオトシゴみたいな木を見つけて、思わずパチリ。

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無事に展望台まで戻ることができ、一安心。ここからはのんびり湿原を歩き、駐車場に向かう。


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ヒオウギアヤメワタスゲエゾカンゾウシナノキンバイ。色鮮やかな花が目を楽しませてくれる。

本当にどこを切り取っても美しく、まるで天国を散歩しているみたいで、名残惜しさを感じつつも湿原を後にした。

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湿原を抜けると一気に暑さが戻ってきた。途中川も通りつつ、駐車場へ向かう。

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無事下山! 管理棟に下山届を出して、登山終了!

帰りも行きと同じ、すれ違いすら難しい細い道を車で通らなければならない。道の全容がわかっていたからか、行きよりはスムーズに降りることができた。

下山後の温泉

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下山後はサンフラワーパーク 北竜温泉へ。ここも北海道でよく見かける、道の駅に温泉とホテルが併設されたところだ。

♨温泉概要

【営業時間】9:30~22:00

【大人料金】500円

【施設】大浴場、露天風呂、サウナ

【アメニティ】リンスインシャンプー、ボディーソープ、ドライヤー

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温泉の横には、お土産屋さんも併設されている。

温泉は広々としていて、そこまで混んでおらず快適に汗を流せた。私が行った時は少し早かったが、時期によってはひまわり畑が楽しめるので、一緒に行くのもいいかもしれない。

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温泉のあとは、ひまわりの種ソフト! 食感も楽しいアイスだった。

おわりに

雨竜沼湿原高山植物が咲き誇る、天国のような場所であった。湿原の散策だけであれば難易度も低く、初心者でも楽しめるし、余力があれば南暑寒岳まで行く登山も楽しめる。アクセスの悪さと道の狭さだけが難点だが、それでも行く価値のある場所だと思う。

季節によって違う景色が眺められるようなので、ぜひ行ってみてほしい。